コンパクトな超小型PCが好きである。
現在で言うUMPC(ウルトラモバイルPC)というやつだ。
最近中国メーカーを中心にUMPC市場が盛り上がっていて嬉しい限りであるが、ちょっと昔のUMPCについて振り返ってみたい。
衝撃の小ささで度肝を抜かれたLibretto 20
20年以上前の話。
後輩の家に遊びにいったとき、衝撃のガジェットが目に飛び込んできた。
UMPCの先駆け、超小型Windowsパソコン「リブレット(Libretto)」だ。
リブレットは1996年に東芝が発売したWindows95のノートパソコンで、サイズはVHSカセットとほぼ同等という衝撃の小ささ。
見た瞬間に一目惚れしてしまった。
一方でリブレット20はスペックもある意味すごい。
CPUがAm5x86 75MHzなのはよいとして、HDDはわずかに270MB!
ギガバイトではない。メガバイトである。ちょっとしたサイズの動画1本すら保存不可能だ。
さらに解像度は640×480(VGA)と極小。スマホと比べても小さい。
リブレットユーザーの後輩(羽生九段似)もHDDの小ささには限界を感じていたようで、1GBを越えるHDDに換装していた。ただし、通常サイズのHDDはそのままでは入らず、裏ブタを切る、いわゆる「裏切り」を施してある。
余談だが、羽生九段似の後輩はウルトラマンPC(Palm Top PC 110)を所有し、自宅に2回線引いて、パソコン通信のサービスを提供していたほどのコアなガジェット野郎だった。将棋も強く、羽生九段に二枚落ちで勝ったこともあるらしい。
ついに、リブレットを購入! リブラーの道へ
リブレットを見てしまってから、考えることはリブレットのことばかり。
そしてついに買ってしまった。
いわゆるリブラーの仲間入りである。
2代目リブレットのLibretto30。HDDが500GBに強化され、かなり実用度が増したタイプだ。
それから自分のモバイルパソコン人生はリブレットとともに歩む。
当時の自分を知る人がいれば、湯一路=リブレットだったとおもう。
Libretto70(1997年)、Libretto ff1100(1999年)と王道の乗り換え。とくにLibretto ff1100は排気音が大きいもののお気に入りで、仕事の原稿書きはもちろん、趣味のプログラミングまで小型のディスプレイで行っていた。
Libretto ff1100は、東芝のWebサイトにはカタログページが残っている。今見てもワクワクするスタイルだ。
低消費電力CPU・Crusoe搭載のVAIO C1に乗り換える
リブレットを使ったのは、Libretto ff1100まで。その後は、VAIO C1に乗り換えてしまった。
大きな理由は、CPUにCrusoeを搭載したからである。
Crusoe(クルーソー)とは?
今のキッズはわからないかもしれないが、トランスメタが開発したx86互換のCPUである。当時のノートパソコンはバッテリーの持ちがネックになっていた。そこで、登場したのが性能は抑えめだけど、低消費電力でバッテリーが長持ちするよ、と謳うCrusoeである。
実際のCrusoeがどうだったかというと、「モッサリしているなー」と印象。
IntelやAMDも低消費電力CPUをリリースするようになってから、儚く消えてしまった。
おかげで、VAIO C1に対する印象も薄い。
次回は、モバイルギア for DoCoMoやシグマリオン、JORNADA720など、WindowCEのの話をしたい。