名作将棋マンガ「ハチワンダイバー」の局面を水匠2で検討する第三回目。
はじめての方は第一回からどうぞー。
- ハチワンダイバー7巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs 氷村(将棋クエストラスボス)
- ハチワンダイバー8巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs マムシ
- ハチワンダイバー10巻より 氷村 vs 中静そよ(メイド)
- ハチワンダイバー11巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs 右角
ハチワンダイバー7巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs 氷村(将棋クエストラスボス)
結果:最善手で勝勢
対将棋クエストラスボス。新石田流から始まった力戦調の将棋の終盤。大駒が躍動する将棋で、△2六飛! という強手が出たところ。
氷村「これは読み切れる?」
ここで菅田はダイブ!
堂々と▲同金。これが最善手で先手勝勢。
この将棋は元ネタがあり、2006年の棋聖戦五番勝負鈴木大介八段vs佐藤康光棋聖の第三戦。
元ネタの将棋は、▲同金、△同飛に対して、△2七歩打としてその後先手が逆転負けしてしまったが、ハチワンダイバーは変えて▲3三金(最善手)として攻め合いに持ち込み勝利となった。
ハチワンダイバー8巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs マムシ
結果:次善手で互角
鬼将会の入り口、小指(菅田)と命(マムシ)を賭けた一戦。マムシの相振り封じからはじまる。
菅田「居飛車で十分!」
桂取りを捨てて飛車成を防ぐ異筋の▲4六銀打! 結果は次善手。最善手は▲4八銀だが、評価値に大きな差はない。桂馬を取ったら逆に危険だった。
元ネタは2005年のA級順位戦鈴木大介八段vs久保利明八段。元ネタでは詰みまでは指していない。
ハチワンダイバー10巻より 氷村 vs 中静そよ(メイド)
結果:最善手で後手のそよ優勢
そよが負けたら「鬼将会専用のメイドになる」、氷村が負けたら「鬼将会のアジトに案内してもらう(氷村は這っていく)」という一局。
そよ「あなたを罰するのは誰でもなく…私」
△6六角の強手!
これは盤上この一手ともいえる最善手で、後手有利。この手以外は逆に先手有利だった。
とはいえ、この手は難しくはなく、アマ初段でもすぐ見えるのではないだろうか? 直前の△7四金がこの手を見逃した悪手だった。
元ネタは2005年の順位戦 熊坂学四段(当時) vs大平武洋四段(当時)。最終盤の局面は変更されている。
ハチワンダイバー11巻より 菅田健太郎(ハチワンダイバー) vs 右角
結果:最善手だが、後手やや有利
76万8,000円を賭けた獣人・右角との一戦。右角のモデルは行方尚史九段。
右角の右四間飛車からの猛攻でギリギリの受け。
妄想の中で、そよに次の一手を教えてもらう菅田。
菅田「それで…大丈夫なんですか?」
▲6六銀引の受け。これは最善手。この手以外は危険だった。若干後手良しだったが、先手が逆転し、最後は詰み上げる。
元ネタは2007年の女流名人位戦五番勝負第4局矢内理絵子女流名人(当時) vs 中井広恵女流六段。元ネタは詰みまでは指していない。
というわけで、続きは次回!
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