ふと、頭の中で音楽が流れて、「この曲なんだったかなー」と思うことはよくあるが、その中の1つが「LAST WAR」のBGMである。
LAST WAR……。
ゲームのタイトルであるが、マニアでも知らない人は多いだろう。というのも、「MSX・FAN」という雑誌に掲載されていたゲームプログラムだからだ。
LAST WARのBGMを実際に聞くことはもう無理だろうなーと思ってググってみたら、なんと作者の方がゲームデータを公開されていた!
作者は神か。神なのか。これは現代の奇跡といっても過言ではない。
というわけで、さっそくダウンロードして、エミュレータで再生。
「あれ? 曲が違う?」
そう、思い出の曲はLAST WARではなかった。
正確には「LAST WAR2」だったのだ。
YouTubeにアップしたので、気になる人は聴いてみよう!
それにしても、LAST WAR2。
驚異的に完成度の高い世界大戦のシミュレーションゲームであるが、作者は当時中学生だったとは……。
あとから知ったが、MSX・FANの投稿者は中学生や小学生(!)が多く、考えられないレベルの作品が数多く投稿されていた。
自分も小学生の頃からBASICでプログラミングはしていたが、完成度の違いは明らか。
しかも、プログラムだけではなく、作曲まで。
(もしかしたら曲に元ネタがあるかもしれないが……)
話をMSX・FANに移そう。
MSX・FANとは、MSXというパソコン、いやマイコンの専門誌で、1ゲームの紹介や攻略が中心だった。創刊は1987年、休刊となったのが1995年である。
その中に「ファンダム」というコーナーがあり、読者が投稿したゲームプログラムが丸ごと掲載されており、MSXで打ち込むことで遊ぶことができたのだ。
当時、ゲームに飢えていた自分は、雑誌さえあればタダでゲームがたくさんできる! と、謎の暗号のようなプログラムを黙々と打ち込んでいたものである。
ちなみにプログラムはこんな感じで掲載されている。
これを見ながらチマチマ打ち込むのだ。入力ミスで動かないケースも多く、結局ミスが分からず遊べなかったという悲しい記憶もある。一方で、変数なども詳しく紹介されているので、ゲームを改造して楽しむこともできた。
(途中からはディスクが付録としてつくようになり、入力は不要になった)
ファンダムからは、米屋のチャチャチャさんの「WHIZだもんね」など、名作もたくさん生まれている(恐るべきことに、この人も中学生プログラマーである)。
【ニコニコ動画】MSX WHIZだもんね❤ STAGE1~6
そんなMSX・FANだが、アーカイブとしてインターネット上に公開されている。恐ろしい世の中だ。今見ても内容は濃い。当時、MSX・FANのファンだった人は閲覧して思い出に浸ってほしい。
Internet Archive Search: MSX・FAN
#「ダービーを一生遊ぶ」も公開してほしいが、無理だろう