アマプラのおすすめに出てきたので「リーマン・ブラザーズ 最後の4日間」を視聴。リーマン・ブラザーズCEOディック・ファルドを中心に、巨大投資銀行リーマン・ブラザーズの最後の四日間を描く。約43分と短め。
緊迫のドラマだが、楽しむには予備知識が大前提。キャラクターの初登場時に名前と社名、役職が出てほしかった。というわけで、これから視聴する人のために最低限知っておきたいキャラクターを紹介したい。【】は物語中の略語。
ディック・ファルド(リーマン・ブラザーズ【リーマン】CEO)。本編の主人公。リーマンの破錠を阻止しようとするが、安価な買収にも応じない。
ティム・ガイトナー(ニューヨーク連邦準備銀行【連銀】総裁)。リーマン救済の銀行トップ会議を仕切る。
ハンク・ポールソン(財務省長官【長官】)。会議で公的資金投入はないと言い切る。
ケン・ルイス(バンク・オブ・アメリカ【バンカメ】CEO)。リーマンに安価での買収を持ちかける。バンカメは日本銀行のような通貨発行権のある銀行ではないので注意。
ジョン・セイン(メリルリンチ【メリル】CEO)。リーマンの次に危険な投資銀行のCEO。本編では触れられていないが、リーマンの次に破綻してバンカメに買収される。
ほか、会議にはゴールドマン・サックスCEOやJPモルガンCEOなどが参加している。また、本編では名前だけだが、イギリスの投資銀行バークレイズも安価な買収交渉に応じる。CEOはロバート・ダイアモンド。
金融用語として知っておきたいのは、「リテール」と「サブプライムローン」。
リテールは個人向け事業のこと。サブプライムローンは貧困層向けの住宅ローン。CDO(債務担保証券)で実情より遥かに高値で売買され、のちに不良債権化される。
感想としては俳優陣の演技は素晴らしいし、テンポもよい。ただ、不親切さからくる難解さは免れない。当時の金融事情に詳しければ詳しいほど楽しめるのだろう。逆にいえば、リーマン・ブラザーズってなに? というレベルならまったく面白くないと思う。観る人を選ぶ作品だ。