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直木賞も納得のノワール系最高傑作「テスカトリポカ(佐藤究)」

半年から数年に1度会う弟に勧められて「テスカトリポカ」を読む。
今年の直木賞を獲得した作品だが、まったくノーマークだった。作者は佐藤究(きわむ)。

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感想を先にいうと、今年読んだ本の中で文句なくNo.1。作者は天才過ぎ。電車内で読んでいたら1時間があっという間で、もう到着という感じ。ただし、かなりグロ描写はあるので、読む人は選ぶかもしれない。個人的にもリアルな映像では観たくない。

 

あらすじをネタバレなしでかんたんいうと、メキシコ麻薬カルテルの一員だったバルミロは抗争に敗れ、ジャカルタへ。そこで、タナカこと謎の日本人医師の末永と出会い、日本へ渡ることになる。一方、メキシコ人の母とヤクザの父の間に生まれた少年コシモ。まともな教育は受けられなかったが、身体的に怪物へと育っていく。アステカの神々とアンダーグラウンドの臓器移植がおもなテーマ。

 

というわけで、メキシコ、ジャカルタ、川崎周辺がおもな舞台となるノワール。人生で一度でも出会いたくないようなヤバイ奴が大量に出てくるが、その一方で魅力的な人物も多い(ヤバくはあるが)。「ナルコス」や「エル・チャポ」などのドラマを観ると中南米怖すぎるな、と思うけどそれが日本に持ち込まれる感じ。

文章も非常に読みやすく、先が気になる展開なので没頭できる。読み終わるのがもったいないと思うほど。

というわけでグロい小説が苦手じゃなければおすすめッス。

#テスカトリポカって単語覚えれないよね……