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就活を舞台にしたミステリー「六人の嘘つきな大学生(浅倉秋成)」

以前から気になっていた「六人の嘘つきな大学生」を読んだ。作者は浅倉秋成さん。1989年生まれの若手作家だ。

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まずは、簡単なあらすじ。新進気鋭のIT起業「スピラリンクス」の最終選考に膨大な応募者から六人の大学生が残る。人事曰く、全員内定も濃厚ということで、親交を深める六人だが、状況は突如一変。最終選考で内定を貰えるのは一人のみ。しかも六人の議論で内定者を決定しなければならないということに。最終選考が始まると、スピラリンクスも予想していなかった謎の封筒が。封筒の中身は、六人の罪を告発する写真が入っていた……。

 

というわけで、就活を舞台にしたミステリー。殺人が起こるわけではないが、読者視点では封筒を用意したのは誰なのか? 最終的に内定を勝ち取るのは誰か? を推理しながら読み進めることになる。自分の予想は完全に外れたが、ある程度伏線はあるのでフェアだと思う。もちろん、予想しなくても六人の印象が劇的に変わっていくのは楽しめる。主要登場人物が六人と少なく、それぞれ個性的になので人物で混乱することもない。序盤の「みんなで内定を勝ち取ろう」という部分は退屈だが、ストーリーが最終選考に入ってから一気に面白くなって、最後まで読んでしまった。おすすめ。