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京都、仏教、裏社会「虚の伽藍(月村了衛)」

「虚の伽藍(きょのがらん)」を読んだ。2024年直木賞候補作品だったが、残念ながら受賞はならず。予備知識は特になし。

時代はバブル直前。京都にある仏教の大手・燈念寺。若手僧侶・志方凌玄は、裏社会のフィクサー・和久良と出会い、次第に裏社会での実力をつけていく。第一部は地上げ戦争、第二部は時代が進み、燈念寺の頂点を争う選挙という二部構成の本格派ノワール。

平凡な出自の普通のお坊さんが裏社会のサポートを受けつつ、仏教の大手・燈念寺でのし上がっていくストーリー。緊張感のある展開に加え、仏教界の裏表や京都ならではの文化(悪い意味での部分が多い)、裏社会など、普段なじみのない世界に触れられるのが楽しい。インテリヤクザ・氷室のキャラクターがいい。主人公・志方凌玄は切れ者ではあるものの、魅力には乏しい(とくに二部)ところがちょっと残念。ノワール小説が好きならおすすめ。自分は好き。

 

虚の伽藍

虚の伽藍

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