2018年5月17日に行われた王位戦予選リーグでの羽生竜王の寄せが凄まじかったので紹介したい。棋譜すべて見たい方はこちらからどうぞ。
局面は序盤から激しい展開のあと、松尾八段が6四香と設置したところ。
6八飛からの詰めろ。後手玉に詰みはなく、当然受けの手から考えたいところだったが、羽生竜王の見えている世界は違った。
まずは6五歩。これが読みの入った大事な一手。当然ながら同香と対応。
ここで5四香成! なんと攻め合いを選んだのである。この時点でも結末が見える人は少ないはず。
3一馬と馬まで切る! 当然、同金。
4五桂の王手。王の逃げ道はたくさんあるが、6二玉以外はすべて詰み。
5三銀、7二玉に、8三角!! なんと、この角を取ると詰んでしまうのである!
8二玉と逃げれば詰まないが、6五角成と香を外してしまえば、先手玉は詰まず、後手玉は詰めろ(最初の6五歩の伏線を回収)。というわけで、松尾八段はここで投了。美しい投了図となった。
羽生竜王の終盤の切れ味はほんとに素晴らしい。ぜひ、王位戦で挑戦者になって、菅井王位にリベンジをしてほしいところだ。
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