ランダムアクセスメモリ

沖縄移住、マンガ、Web制作、ゲーム、将棋の話をランダムに。※本サイトには一部アフィリエイトリンクもあります

PS版ダビスタの思い出 その4

超不定期連載、PS版ダビスタの思い出の続きです。

前回のエントリはこちら

 

blog.yublog.com

 

1997年の夏。宝島社から発行されるダビスタの攻略本を作るため、半蔵門のライオンズマンションの一室にあった編集プロダクションに泊まりつつ攻略・解析と原稿執筆を続けていた。

作業は一人では厳しいので、NIFTY-SERVEで知り合った神谷くんに検証メンバーとして参加してもらった。神谷くんは当時10代の少年。名字が「神谷」ではないのに神谷を名乗る謎の人物である。神谷くんも事務所に泊まり込み。印象としては、いつも寝ていた気がするが元気にしているだろうか? あとは同じくNIFTYで知り合ったカメオタさんにも手伝ってもらった。事務所に来てもらうことはなかったが。

 

そのほかのメンバーは「編集中山」としてダビスタファンにお馴染みだった中山さん、女帝・野本さん、さらにはガスーンガンチョこと、現在は担当Gとしてボートレース界で有名な菅さんも「赤坂零士」という謎の名前で参加していた。攻略本のほとんどのページを占めるデータ部分はガスーン氏の仕事だ。

それから、Fさんこと、ふれいずさん。

実は前回までのエントリを読んだよ、とメールをもらった。元気そうで何よりである。

 

そんなこんなで夏休みのすべてを潰し、攻略本は無事に完成した。

が、残念だったのは、PS版ダビスタの新要素・親似の謎と現在では「花火理論」などと呼ばれる仕組みを解明できなかったこと。言い訳をさせてもらえば時間がほんとになかった。検証に時間をかければ原稿を書く暇がない、そんなジレンマを抱えつつわずか3週間程度で完成させたのだ。もう1つ言い訳をすれば、同時期にでたほかの攻略本も解明はできなかったと思う。

 

そして発売直前。今では考えられないことが起こった。攻略本のメンバーを招いて、宝島社がオシャレな店で食事会を開いてくれたのだ。

というのも、初版が20万冊。ダビスタブームに乗った恐ろしい数字である。個人的にはボーナスをくれたほうが嬉しかったけど。

食事会には宝島社のお偉方も参加。恐縮するしかない。

 

f:id:onsen222:20200324021555j:plain
f:id:onsen222:20200324021602j:plain

ダービースタリオン完全真書の表紙と裏表紙。帯のように見えるけど、これは印刷。こんなところでケチらなくても、と思った。また、当時は攻略本の価格が高騰しており、1200円というのは破格だった。

 

f:id:onsen222:20200324021746j:plain

攻略の内容はこんな感じ。

 

せっかくなので、当時僕が書いたコラムも全文転載して紹介しておきたい。

f:id:onsen222:20200324021851j:plain

リース種牡馬に栄光を!
■ダビスタコラム BY 湯一路

去年の夏、僕はダビスタの新配合を探るべ く、ダビスタの情報が氾濫する世間から隔絶するために「ダビスタ全書」を片手に、アメリカに1ヶ月間の旅に出た。
 ところが、日本を離れ3日目。早くも禁断症状が出てしまったのだ。当初の予定通り、美しい配合がガンガン出てくるのだが、何にせよダビスタがない。思い切って野茂投手の家を訪ねようと、ドジャーススタジアムまで行ったのだが、さすがに断念したのだった。
 それから1年後。今回のダビスタでは、海 外種牡馬のリースイベントがあると知り、アメリカ生活(って言っても1ヶ月だけど…)を送っていた頃の血が震えた。「これは外国血 統にこだわるしかないだろ!」
 すぐさま、僕は大学受験の時にも見せなかった集中力で血統表を睨み付け、素晴らしい配合を思いついた!

(ミッドナイトアールティ *Diesis)*Rainbow Quest。面白・ニックス・クロス、かつ横文字の並ぶファンキーな 血統構成だ。
「イッツ、ビューティホー!!」
 早速、生み分けに入りBCでの口取りを確認する。そこには両方英語表記のオシャレなお馬さんがいた。その完璧な配合に、思わず真夏のカリフォルニアを思い出したのだった。
 それからというもの、リース種牡馬にハマリまくる素晴らしい日々(?)を送っていた僕だったが、ダビスタ人生に関わるようなショッキングな事が起きてしまった。
 それは、D・D・Tの秘密基地でカップラーメンの食べカスと灰皿と化した無数の空き缶にまみれて、それでも幸せな夢と共に爆睡していた真夏の昼下がりのできごとだった。僕をたたき起こした編集中山さんは、いつもは見せない100万ドルの笑顔でたたずんでいた。そのさわやか過ぎる怪しい微笑みを見て、寝起きの虚ろな思考力でも一瞬で察知した。あの、ほのぼのだった編集中山さんがとんでもない馬を引いたのである!! 編集中山さんのポリシーは「内国産に絶対こだわる!!」つまりは、僕と正反対の考え方である。しかも、アンバーシャダイではなく、 ルドルフやタマモクロスを喜んで種付けしているではないか………。僕は内心、こんな 配合をやっているようじゃ、1000年やってもろくな馬はでないだろうな、フフフ、と思いつつ、「なかなかいい配合じゃよ。」とふれいずさんの物真似をして油断させていたが、その凶悪馬は、そのこだわりの内国産オンリーな配合だったのだ。…僕はそれを見て、今までリースにこだわり過ぎていた自分を深く反省し、これからは内国産の時代だったのか……とはまったく思わず、この馬を超えるリース種牡馬産駒の強力な馬を作り上げ てみせると、東京の夜空に向かって堅く心に 誓うのだった。打倒!内国産種牡馬産駒!!

ダビスタをやっていなかった人には意味がわからないだろう。D・D・Tとはダビ遊ダビスタチームのこと。誰もD・D・Tなんて言葉は使ってなかったけど。

野茂投手のくだりは、当時野茂がダビスタにハマっていると報道されていたから。もちろん、本気で訪れようとは思っていない。

ちなみにアメリカの一ヶ月の旅というのは、こちらに書いたのでぜひどうぞ。

blog.yublog.com

 

f:id:onsen222:20200324022127j:plain

最後に奥付。大好きな南国というのはもちろん沖縄。2020年現在、無事に移住して沖縄に住んでおります!

 

というわけで、また次回!