散歩がてらに寄ったTUTAYAで、東野圭吾の「魔力の胎動」が文庫化されていたので購入。
東野圭吾は電子書籍反対派。作品はほとんどKindle化されていないので紙の小説で読まなければならない(2020年に7作品だけ解禁されているが……)。ちなみに自炊業者による自炊にも反対している。普段はKindle派の自分なので、本屋で見かけないと読まないようになってしまった……。Amazonで紙の本を買ってもいいんだけど、沖縄だと最低中2日かかるので、ちょっと億劫になってしまう。
というわけで、「東野圭吾だから」という完全な作者買いだったが、「ラプラスの魔女」の前日譚で、ラプラスの魔女の主要人物が出てくる。ラプラスの魔女は過去に読んだが、だいぶ忘れてしまった……。大筋は覚えているけど。構成は短編小説形式で、全5章。ただし、完全に分離しているわけではなく繋がりもある。
主人公は鍼灸師の工藤ナユタそして、物理法則から未来を予測できる少女・羽原円華。物語は工藤ナユタの視点で進む。
第一章はスキージャンパー、第二章はナックルボーラー、第三章は水難事故、第四章は謎の自殺と同性愛がテーマ。最後の第五章は、ラプラスの魔女へとつながる話となる。
最初の四章は非常に興味深く、とくに四章は素晴らしい。さすがは東野圭吾。一方、第五章は、いまいち乗り切れない感じで読んでしまった。前日譚とはいえ、いまいち? ラプラスの魔女を読み直したら面白く感じるのだろうか。
とはいえ、全体的には素晴らしく、ラプラスの魔女を読んでなくても楽しめると思うので、おすすめです。