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【Kindle Unlimited】2人のクライマーが8000m峰初登頂に挑む「イカロスの山(塀内夏子)」

Kindle Unlimitedで「イカロスの山」を読んだ。作者は「オフサイド」「Jドリーム」の塀内夏子。イカロスの山についてはモーニング連載中に何回か読んだ記憶があるが、通読するのは初めて。

大学生の三上俊哉と平岡啓二はコンビを組んでダウラギリ南壁登頂に成功する。
それから数年。三上は医者になって家族を持ち、平岡は国内トップクライマーとして活躍してている。ある日、平岡の交通事故を契機に三上の妻・康子がお見舞いに行くが、学生時代から康子は平岡に好意を持っており、次第に惹かれていってしまう。
そんな中、世界の登山界に衝撃のニュースが。K2の近くに新たに8000m峰が発見されたのだ。世界各国が初登頂を目指す中、平岡と復帰した三上も日本隊として参加することになった。果たして初登頂はなるのか? そして、三上、平岡、康子の関係はどうなる?

というわけで、登山シーンも豊富なクライマーものである。このジャンルの金字塔は、「神々の山嶺(夢枕獏/谷口ジロー)」だろうか(村上もとかの岳人列伝もあるけど)。神々の山嶺はクライミングシーンがほんとに素晴らしく何度も読んだ。「孤高の人(坂本眞一/新田次郎/鍋田吉郎)」も序盤は良かったが、後半は内面描写がちょっと苦手かも(それが良いという人もいるけど)。もちろん、「岳(石塚真一)」も好き。

 

「イカロスの山」は15番目の8000m峰が見つかった、という設定がすでに面白い。現実にはあり得ないが、エレベレストより大きい山があった、というよりは現実的だろう。リアルに見つかったら各国の競争というよりは、登頂権の入札になりそうだが、それでは当然面白くない。
クライミングシーンも良かった。架空の山だけに、その先はどうなっているのか? という緊張感がある。実際は望遠カメラや衛星写真からある程度情報は得られるんだろうけど。それはそれ。

三上と平岡、康子の関係は正直どうでも良いという感じ。作者が描きたかった部分だろうが、個人的にはいらないかな?

というわけで、全10巻とそれほど長くもないので、Kindle Unlimitedに加入している人はおすすめ。最後まで読めます。