Amazonプライムビデオでアニメ版の「神々の山嶺」を視聴。原作は夢枕獏の傑作小説。アニメの原作にもなった谷口ジローのマンガ版は歴史的傑作だと思う。たぶん100回くらいは読んだ。
アニメ版はどういう経由か知らないが、フランスの制作らしい。
山岳カメラマンの深町はカトマンズで怪しい人物から「マロリーのカメラ」という品を売りつけられそうになるが断る。が、街中で例のカメラがある男に奪い返されるのを目撃。その男は伝説のクライマー、羽生丈二だった。羽生を追う深町。羽生は誰も達成していないエベレスト冬季南西壁無酸素単独登頂に挑もうとしていた……。
原作が大長編で、アニメ版は約90分。そのため、ある程度のエピソードを端折る必要がある。アニメ版では羽生の恋人となるキーマン・岸涼子がモブキャラに近い位置まで格下げされ、伝説のシェルパ、アン・ツェリンはただのサポートをするおじいさんとなっている。
まあ、それは良い。
不満のはキャラクターの顔はマンガ版とまったく違うこと。全体的に目が極端に小さく、なんというか魅力がないのだ。羽生丈二はもっと荒々しい感じにしてほしかったし、ライバル長谷常雄はもっとかっこよくしてほしかった。岸涼子もひどいよ……。羽生と深町の違いがそれほどないので、どちらなのか混乱するシーンすらある。
逆に良かったのは時代と街並みの雰囲気。ネパールの街並み、60年代と90年代の日本はフランス制作というのが信じられないほど素晴らしい。クライミングシーンもよくできていると思う。それだけにキャラクターが魅力的じゃないのは辛いなー。
神々の山嶺の原作ファンとしてはちょっと厳しいが、原作を知らなければそれなりに楽しめるかも。アニメで少しでも興味を持ったらマンガ版を読んでほしい。
