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明治時代の無人島サバイバル・須川邦彦 「無人島に生きる十六人」

羽田空港から那覇に戻る前にKindleに何かダウンロードしておこうとして見つけたのが、プライムユーザーは無料の「無人島に生きる十六人」。予備知識はなく、深く考えずダウンロードしておいた。

 

無人島に生きる十六人

無人島に生きる十六人

 

 

(あとで調べたら原書の著作権が切れているようで、青空文庫にもあった。プライム版は2013年刊行で少し現代調に読みやすくなっているかも)

 

内容は、明治32年(1899年)、調査航海に出ていた帆船・龍睡丸が太平洋上(パールアンドハーミーズ環礁)で座礁して無人島に漂着してしまう。そんな絶望的な中、リーダーを中心に16人の船員が力強く計画的に生き抜き、ついには全員生還を果たすというストーリーだ。

自分は恥ずかしながらまったく知らない話だったが、結構有名な話らしい。過酷なサバイバルを前向きに乗り切る姿はワクワク感すらある。あっという間に読み終えてしまった。

 


本書について少し整理をすると、事件があったのは明治32年(1899年)。事件について船長だった中川倉吉から著者の須川邦彦が話を聞いたのが、明治36年(1905年)。そして、実際に本書が書かれたのがさらに46年後の昭和26年(1951年)。
恐らくメモがあるとはいえ、46年前に船長一人から聞いた話ということなので、かなりの脚色はありそう。実際、遭難後は船長の素晴らしいリーダーシップで困難を乗り越えていくが、あくまで船長自体の口伝であることは忘れてはいけない。ほかの船員目線での話も聞きたかったところ。

なお、船員のうち、年齢が分かっているのは55歳の小笠原さんだけ。本書では老人と呼ばれていて可愛そう。明治の世は55歳で老人だったのか……。

 

ちなみに同じ話を扱った本が「竜睡丸漂流記(大道寺謙吉著)」として明治36年に出版されているらしい。こちらは、国立国会図書館近代デジタルライブラリーで読める。読めるが、解読は結構たいへん。誰かテキスト化していないかな。

 

ともあれ、「無人島に生きる十六人」は冒険譚として非常に面白いのでおすすめしたい。