※すべて敬称略です
高校時代、遊佐未森のファンだった。
同じような人が全国に5万人くらいはいるだろう。控えめに考えても。
遊佐未森(ゆさみもり)について知らないという人は少ないと思うが、簡単に説明すると仙台出身の1964年生まれ、1988年デビューの女性シンガーソングライターである。
- シュワルツェネッガーのCMで遊佐未森を知る
- 2ndアルバム「空耳の丘」でガッツリハマる
- 「ハルモニオデオン」「HOPE」は傑作!
- 帽子キャラとFM STATION
- 「モザイク」からイメージが変わった?
- その後の遊佐未森
シュワルツェネッガーのCMで遊佐未森を知る
ファンになったきっかけは当時の遊佐未森ファンの9割がそうだったように、日清カップヌードルのCMから。
【CM 1989-91】nissin CUP NOODLE 30秒×5
シュワルツネッガーが車を肩に乗せて歩くというインパクトなるCM!
そのBGMが遊佐未森の「雲のない青空は~♪」でお馴染みの「地図をください」だった。
この曲が強く印象に残り、近所のCDショップへ自転車で行って「地図をください」が入っている2ndアルバム「空耳の丘」を買ってきた。(CDショップはいつの間になくなっていた……)
2ndアルバム「空耳の丘」でガッツリハマる
この「空耳の丘」が歴史的名盤だった!
実質1曲目の「窓を開けたとき」から素晴らしい。これで心を掴まれた。「川」もCM曲で「この曲探してたー」という人に会ったことがある。「日曜日」や「Run in the rain」など、ほかもすべて良曲。捨て曲がない。
参加ミュージシャンも何気にすごい。プロデューサーの外間隆史は言うに及ばず、ギターは元レベッカで後にデュエット曲も出す古賀森男、天才ヴァイオリニスト斎藤ネコ、BabyMetalの神バンドのドラマーとして有名な青山英樹の父親である青山純など、錚々たるメンツ。
ちなみに初期のアルバムにはプロデューサーである外間隆史による謎の童話が付いていた。あれはなんだったんだろう? バックバンド「空耳楽団」と合わせて、独特のノスタルジックな世界観を生み出すことに役にたっていたとは思うが。
余談だが、外間隆史の奥さんは元アイドルの井ノ部裕子(Qlair)。僕が人生で初めて見たアイドルである(某学園祭で)。
「ハルモニオデオン」「HOPE」は傑作!
「空耳の丘」で完全に沼にハマった僕が続いて購入したのが3rdアルバムの「ハルモニオデオン」。
こちらは初回限定盤がまだ売っていた。ラッキー。
ハルモニオデオンは世間的には有名曲はないが名曲揃い。強いて言えば「僕の森」が有名だろうか?
個人的には「M氏の幸福」が歌詞を含めて好き。「暮れてゆく空は」「0の丘∞の空」もいいよ。
外間隆史の謎の童話も健在だった。
4thアルバムの「HOPE」はほぼリアルタイムで購入したと思う。
このアルバムも名盤。好きなのは「夏草の線路」「雪溶けの前に」「夢をみた」あたり。「野の花」も素晴らしい。
ちなみに「夢をみた」だけ、TVKのミュートマジャパン(だと思う)でPVが流れていたのを観ていたので知っていた。動く遊佐未森を観たのはそれが最初かも知れない。
MPが減らされてしまうような謎の怪しいダンス(遊佐ダンス)を踊りながら歌っていたが、ネットで探してみたが見つからなかった。
帽子キャラとFM STATION
なお、当時の遊佐未森は必ず帽子を被っていた。実はハゲているのだろうか? と思っていたが、ある頃から帽子をスパっと被らなくなったのでキャラ付けだったのか、単なる帽子好きだったのだろう。初期遊佐未森ファンは帽子を本体だと思っていたかも知れない。
そして、遊佐未森といえば、雑誌「FM STATION」も重要な要素の一つ。
インターネットがまだ一般的ではない時代、遊佐未森情報をたくさん掲載していたFM STATIONはファンにとって貴重な情報源だった。FM STATIONの好きなアーティストアンケートでは並み居るメジャーアーティストを抑えて遊佐未森が2位になっていたりした。完全に違う世界線が存在したと言ってよいだろう。
「モザイク」からイメージが変わった?
次に買ったアルバムは、原点回帰ということで、1stアルバムの「瞳水晶」。荒削りなイメージもあるが、良曲も多い。「Destination」は工藤順子の歌詞も含めてかなり好き。
(工藤順子といえば、みんなの歌の「キャベツUFO」が好きだった)
5thアルバムの「モザイク」は今までとはイメージがちょっと違うと当時感じてしまった。声に優しさはあるものの、魅力のひとつである伸びのある声ではなくなってしまった気がする。ただ、アルスラーン戦記のテーマ曲になった「靴跡の花」も入っているので、ここからファンになった人もいるかもしれない。
さらに言えば、正確な転換はその前に発売されたシングル「ONE」からかも。「ONE」のカップリング「たったひとつの」は大好きではあるが。
以降、6th「Momoism」、ベストアルバム「桃と耳」、7th「水色」、8th「アルヒハレノヒ」までは買ったものの、それ以降遊佐未森からは離れてしまった。
もちろん、これは自分の好みであって、いま聴いてみるといい感じの曲もある。アコースティックな「水色」は名盤だと思う。
ただ、「空耳の丘」「ハルモニオデオン」「HOPE」のような路線を求めていたので、変わってしまったのか、と思ったのだ。
その後の遊佐未森
自分がそれほどチェックしなくなったあとも、他アーティストや天才テレビくんへの楽曲提供、ストレイシープの声優など、いろいろな場面で活躍されており、そこでファンになった人もいるかも知れない。
そして、遊佐未森は現役のアーティストであり、現在も精力的に活動されている。
一度はライブに行ってみたい。沖縄来ないかな?