ダビスタユーザー待望の「ダービースタリオン 公式全書」が本日発売されたよ!
全書と言えば、故・成沢大輔さん編集によるダビスタユーザーのバイブル。
ダビスタIIIの全書を購入し、むさぶるように読んだことを覚えている。
BC馬として掲載されていたサイキョウクラウドやスルーザナイトは衝撃だった。
残念ながら成沢大輔さんは2015年に亡くなり、本書が成沢さんが関わらない最初の全書ということになる。
(前作のGOLD全書も実質関わってないらしいけど)
というわけで、全書が手元にあるので見ていきたい。
まず思うのはデカい! B5判なので、A5判だった「今日からはじめるダービースタリオン」よりも1.2倍以上デカい。336ページと厚さもある。
まずは良い面から。
ライバル馬リスト3199頭データ。全ライバル馬について、速力、スタミナ、パワー、底力、気性が7段階ではあるが開示されている。これは初めてではないだろうか? 眺めているだけでも結構楽しい。
騎手データも有用。編集部の所見という体裁にはなっているが、実際の仕様から引き出しているはずだ。「ダートが得意」という風に断言すると、騎手からクレームが来る可能性があるのかもしれない。競馬ゲーム以外のスポーツゲームでは数値化が当たり前なので、不思議に感じるが……。
それから凱旋門賞への出走条件。意外と細かい設定だった。これは全書でぜひみてほしいところ。
馬体研究についても、知らないことが多かった。いろいろ調べていた人には答え合わせになるだろう。
開発者インタビューは、BC生産をするコアなユーザーにとって、ヒントになることがあった。欲を言えば、騎手に藤田菜七子がいない理由も知りたかったが(女性騎手のグラフィックを作る余裕がなかった?)。
続いては不満な点。
全書を求めるユーザーの多くが何を求めているかというと、強い馬を作りたい! ということだろう。もちろん、違う人もいるだろうが、多くはGIや海外レースを勝ちたい、BCで強い馬を作りたい、という人が読んでいると思う。
その点に応えられているかというと、どうだろうか?
配合理論関連のページは個人的にかなり残念。
「凝った配合」のページは、このページの説明で読者は理解できるだろうか? 掲載されている凝った配合の組み合わせ(ペア)も、ゲーム内で成立しないものがある(追加種牡馬等あれば成立するかもだけど)。GOLDの全書からの流用? GOLD全書を持ってないので、今回の全書とGOLD全書の両方を持っている人は教えてほしい。
また、Switch版ダビスタの凝った配合は、ちょっと検証してみればわかるが、成立しないはずなのに成立する謎の配合(ペア)も存在する。そこらへんも突き詰めてほしかった。なお、凝った配合の効果については開発者インタビューで有用な情報もある。
一方、「見事な配合」のページはもしかしたら超重要かもしれない。見事配合のページ内にある図が本当だとしたら、BC生産に激震が起こるだろう。ただ、最強馬に見事が必須としたら、配合の幅はかなり狭まってしまう。開発者インタビューで、BC生産でのニトロ(七光り)の重要性に触れつつ、見事配合には触れてないので本当か疑ってしまうが。
「今日から始める」では七光りだった理論は、「クロスニトロ」として紹介されている。長距離型でスタミナニトロが2本分になっているが、これは本当だろうか? 「今日から始める」では1本だった。下のディープインパクトとキングカメハメハの例では長距離型クロスをスタミナニトロを1本として数えているようなので、2本というのは間違えてあってほしいが。とりあえず配合ツールは1本のままでいきたい。ただ、キングカメハメハの例では、スピードニトロが5本のはずなのに4本、パワーニトロが1本のはずなのに2本で数えているので、正確性には疑問が残るけど。
同じ祖先馬がいる場合はニトロを重複して数えない、ということも書いてほしかった。
それから、もう少し作り手の姿が見えるようなページもほしかった。編集部がダビスタで遊んでいるページはもちろん、BCで勝つために頑張って100頭生産しました、のような。過去の全書のように編集部のBC馬を掲載していればなおよかった。まあ、ここらへんは自分の好みなので、求めてない人もいるだろうけど。
制作陣のためにフォローをしておくと、過去の全書と比べると、予算も製作期間も大幅に違うだろうので仕方ない部分も多々あると思う(昔の全書は制作に8ヶ月かけていた、という噂もある)。
というわけで、雑多に書いていったが、不満はあるものの、全書にしか掲載されていないデータは豊富にあるし、何より全書が発売されたという事実はユーザーにとってありがたい。
もっとダビスタを楽しみたい、というひとは手に取ってみてはどうだろうか。