Kindle Unlimitedで佐藤究さんのQJKJQを読んだ。
佐藤究さんといえば、直木賞作品の「テスカトリポカ」がここ数年読んだすべての小説の中で一番素晴らしかった(→感想)。が、別作の「Ank: a mirroring ape」はやや合わず。QJKJQで読むのは3作目。
QJKJQは設定からすごい。父、母、兄がすべて猟奇殺人鬼という一家で、高校生の娘・亜李亜が主人公。本人も高校生ながら快楽殺人を行なうシリアルキラーでもある。が、ある日、兄が自宅で殺され、母も行方不明になってしまう。亜李亜は父に疑いを向けるが、72時間の期限を持って、事件の真相を追うことになる……。
グロい表現は相変わらずキツいので、耐性のない人は厳しいかも。徐々に真相が明らかになっていくところは興味深かったけど、「テスカトリポカ」ほどの興奮はなかった。が、出てくるキャラクターは魅力的な人ばかりだし、この作者の作品はさらに読んでみたいという気にはなる。テスカトリポカクラスの壮大な話をまた書いてほしい。