将棋の王座戦が本日(2020/9/3)より始まる。
注目は「負けない将棋」永瀬王座の防衛なるか、それとも挑戦者の「捌きのアーティスト」久保九段が久々のタイトル獲得となるか、ということだが、今回はもうひとつの注目ポイントについて話したい。棋譜利用のことである。
大前提として棋譜利用に対する経緯は以下のエントリを参考にしてほしい。
王座戦は全棋戦の中で初めて、明確なガイドラインを発表した。
ポイントは以下の通り。
・3図+指して計10手までは商用・非商用を問わず無料
・棋譜の利用は対局から3ヶ月経過後可能
・商用の場合は3ヶ月経過しても許諾が必要
・動画配信サイト(YouTube含む)はすべて商用扱い
ネットの反応を見ると賛否はあるが、賛のほうが多いのではないだろうか?
個人的な感想を言えば、具体的でわかりやすく素晴らしい内容だと思っている。
で、気になるのは対局後に棋譜を速攻であげている将棋YouTuberたちがどのような対応にでるかだ。
ガイドラインを守るのか? そうではないのか?
王座戦のガイドラインを深読みすると、主催者の権利を守るため、対局後しばらくの期間は棋譜をYouTubeにアップしてほしくないとも読める。
いや、気になると書いたが、棋譜系将棋YouTuberはガイドラインを無視して棋譜をアップするだろう。
そのことの良し悪しは置いておいて、王座戦の主催である日本経済新聞と日本将棋連盟がどう動くのか。警告はするのか? 今まで通りグレーで放置か? それとも損害賠償請求までいくのか? これが本当に気になるところである。
将棋ソフト水匠2の作者であり、弁護士でもあり、将棋連盟に棋譜利用に関する公開質問をされたたややんさんは、以下の通りつぶやいている
棋譜利用ガイドラインが発表されましたので、今後は明らかにガイドラインに反してアップロードされた動画等に対し損害賠償請求をすることなどによって、適切なサンクションを与えていくのが望ましいと考えます。今後の展開にも期待しています。
— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) September 1, 2020
果たして適切なサンクションを与えることはあるのか? 注目していきたい。