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ドンデン返し系の傑作ミステリ「シャドウ(道尾秀介)」

Kindleで「シャドウ(道尾秀介)」を読んだ。

道尾秀介で読んだことがあるのは、「向日葵の咲かない夏」と「カラスの親指」。
「向日葵の咲かない夏」は衝撃的な作品だった……。超ダークな世界観なので好き嫌いはあるだろうが、自分は大好き。「カラスの親指」は原作も映画も好き。

「シャドウ」は読んだことがあると思いこんでいたが、あらすじを見る限りは読んでなさそうなので、Kindleで購入。結果、読んだことがなかったので良かった。

 

というわけで、簡単なあらすじ。
我茂家と水城家は、父親同士(我茂洋一郎、水城徹)が医学部の同級生、母親同士(我茂咲枝、水城亜紀)も大学の同級生で父親の後輩、さらには我茂家の息子である凰介と、水城家の亜紀は小学生五年生で同級生という関係で、家族ぐるみの付き合いがあった。

しかし、我茂咲枝が癌で死去。ほどなくして、水城恵も遺書を残して自殺してしまう。精神科の医師でありながら、徐々におかしくなっていく洋一郎。一方で、亜紀が自分の実の娘ではないという妄想にとらわれる徹。凰介は洋一郎と徹の師でもある田地に相談しつつ、事件の真相に近づいていく。

 

本書は主人公の視点が次々に変わっていく小説だが、視点が違うことによる叙述トリックがあり、見事に騙されてドンデン返しを受ける。登場人物はかなり少ないので、事件の真相自体は読んでる人の多くがたどり着けると思うが、それでも面白さには揺るぎない。ドンデン返し系が好きな人はおすすめだ。

 

ちなみに自分が一番好きだったドンデン返し系は「葉桜の季節に君を想うということ(歌野晶午)」かな? 「イニシエーション・ラブ(乾くるみ)」も好き。

というわけで、傑作だったので未読の方はぜひ。

 

シャドウ (創元推理文庫) Kindle版