Netflixで「アテナ」を視聴。事前知識はまったくなかったが、大傑作だった！ 監督はロマン・ガヴラス。ヴェネチア国際映画金獅子ノミネート。
14歳の少年イディールが警察官によって惨殺され、その動画が拡散しアテナ団地で暴動が起こる。少年はアルジェリアからの移民で3人の兄が居た。少年の3番目の兄カリムは警察の記者会見中に火炎瓶を投げて混乱を引き起こし、暴徒を統率する。騒乱の中、犯罪行為をする悪党の長兄ジェローム、警察との間に入る次兄アブデル。3兄弟を中心に暴動は広がっていく。
まず冒頭からタイトルバックが出るまでの長回しがすごい。韓国映画のカーターもすごかったが、あちらは3Dゲーム感があるのに対し（それはそれでいいが）、もっとリアリティがある。それでいてカメラは自由自在に動き回り、どう撮影しているのか素人目にはまるでわからない。それでだけでもすごいが勢いは留まらず、ラストシーンまでハイテンションで続いていく。長兄の犯罪内容とキャラクターが少しわかりにくかったが、暴徒を率いるアブデルと警察と暴徒の間に入る次兄ジェロームのキャラクターは魅力的。スラム感のある団地の雰囲気もよい。万人向けではないが、自分の中では大ヒット。今年一番かも。日本でもこのクラスの作品を観てみたい。
