前回のエントリに続き、名作将棋マンガハチワンダイバーの各局面を最新ソフト（水匠2）で検討していきたい。
- ハチワンダイバー4巻より ニこ神（神野神太郎） vs 海豚七段
- ハチワンダイバー5巻より 斬野シト vs 菅田健太郎（ハチワンダイバー）
- ハチワンダイバー5巻より 菅田健太郎（ハチワンダイバー） vs 澄野久摩
- ハチワンダイバー6巻より 中静そよ vs 澄野久摩
ハチワンダイバー4巻より ニこ神（神野神太郎） vs 海豚七段
結果：後手（海豚七段）の悪手だが、まだ後手有利
ニこ神 vs 海豚七段戦の終盤。
元アマ名人 vs 現役プロ。場所は河原のテント。
海豚七段は龍を殺す△２一銀打！
海豚七段「これはとてもプロの手とは思えないが」
しかし、この手は悪手。
本譜は▲２九香、△同龍と進んで、▲５三桂成！
これが龍・馬両取りの大技。
しかし、この時点でも後手の海豚七段が有利。龍を見捨てて、同馬として形勢はまだまだだった。
海豚七段が雰囲気に飲まれて悪手を連発したのだろうか？
ハチワンダイバー5巻より 斬野シト vs 菅田健太郎（ハチワンダイバー）
結果：そもそも後手菅田勝勢。次善手だが、後手の勝ち
ダイブする前の局面。
斬野「君の玉には詰めろがかかって 受けるのも一手一手の寄りだ」
しかし、後手玉に詰みはない気がする。ソフトでも発見できず。
斬野はハチワンダイバーに対して、詰めろのがれの詰めろが必要なことを言っていたが、詰めろで十分。自信たっぷりの斬野だが、局面はすでに斬野敗勢。
本譜は△３六桂（最善手）、▲５七玉、△３七馬！（次善手） で後手のハチワンダイバー勝ち。
この手は詰めろ。馬は取れない。ソフトによると最善手は△３七馬に変えて、△６八銀ということだが、後手勝ちという結果は同じだろう。
ハチワンダイバー5巻より 菅田健太郎（ハチワンダイバー） vs 澄野久摩
結果：投了が敗着
澄野 vs 菅田、斬野、そよのファミレス3面指しの中での、澄野 vs 菅田戦。
一直線に攻める澄野。そして、以下の局面。
後手は△６七銀！ の妙手から▲同歩、△６七香と進み上図。ここで先手の菅田が投了。
菅田「受けが効かない!!!」
しかし、実は▲９五角という詰めろのがれの好手があり、先手優勢。これは連載時にも「▲９五角でまだまだでは？」と少し話題になっていた。
ハチワンダイバー6巻より 中静そよ vs 澄野久摩
結果：悪手の応酬からの最善手
同じく澄野 vs 菅田、斬野、そよの3面指しのそよ戦。1000万円がかかった大勝負。
先手はいきなり▲９三角！ と放り込む。しかし、この手は悪手。△９ニ玉と交わしておけば、後手優勢だった。
しかし、△同玉（大悪手）で話が変わってくる。▲９一龍、△９ニ銀、▲９五歩、△８三玉に、▲９三金！（最善手）の鬼手炸裂！
これは最善手で、先手勝ち。
ちなみに、△８三玉に変えて、△８五桂なら後手勝ちだったとそよが言っているが、△８五桂でも先手勝ち。悪手は、▲９三角を△同玉としてしまったことだった。
というわけで、続きはまた次回！
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